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涼は3人兄妹で2歳上の兄と4歳下の妹がいた。
兄の方は私と同級生でクラスメートの男子の親友だった。
だから、何度か見たことはあった。
涼の家は第一子の長男を一番可愛がるといった典型的な家庭だった。
さらに長男がある程度大きくなって、やっと甘えられると思った頃に今度は妹が出来た。
それで、結局涼は幼い頃あまり甘えることが出来ずにいた。
けれど、叱られたり、暴力を振るわれたりはして父親に対し、恐怖が芽生えた。
涼は父親の存在に怯えていた。
今ではそういうことがなくなったらしいけど、未だにトラウマで父親を受け入れられずにいた。
涼もそういう経験があったからこそ、私の気持ちが痛いほど分かったんだ。
そんな話をずっとしていたら、いつの間にか帰らないといけない時間になった。
涼の話を聞いて私は彼をもっと知りたくなった。
「今村くん。今度みーちゃんが来た時に教え合えるようにアド交換しない?」
内心は「もし断られちゃったらどうしよう」とかなりドキドキしながら聞いた。
でも、そんな心配は全然必要なかった。
「いいですよ」
彼は普通にアドを教えてくれた。
その時、名前を忘れちゃってたから、もう一度名前も聞いたっけ。
その時は最初、お互いに同じソフトバンクだってことを知らなくてメアドだけの交換だった。
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