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テストを明後日に控えた放課後。
真由は校門で詩織、律と別れると、家とは違う方向へと歩き出した。
照りつける真夏の日差しが白い肌を容赦なく襲う。
日焼け止めを塗っておいてよかった、と内心ホッとする。
「あちぃ……」
情けない声が上がる。真由ではない。その隣からだ。
「ねぇ~」
真由は同意するが、その顔は相変わらずどこか楽しそうだ。
無邪気な笑みのまま、隣を見る。
真由より三〇センチ近く高い目線に、高校生にあるまじき派手な白金色の髪。
拓也は背筋はダルそうに丸め、暑さにへばっていた。
ワイシャツは胸元がはだけ、なめらかな肌が露になる。
おいしそう……とちょっとにやける真由。
「でも頑張らなきゃね、勉強ぉ」
艶かしい肌から視線を上げ、真由は無邪気に現実を突きつける。
拓也はうんざりしたように頷いた。
「もう明後日だからな。あー、赤点はマズイよな」
「大丈夫だよ、あたしが教えてあげるんだから」
任せておけ、と真由は胸を張る。柔らかなCカップは形を変え、虚ろだった拓也の目に光が灯る。
「それもそうだ」
いいもの見たな、とこっそり喜びを噛みしめ、拓也は少しシャキッとして先に向かう。
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