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──今。この町……この世界は『時と時の狭間(スクレアム)』と呼ばれる“狭間の空間”と化した。
あらゆる存在の時間が停止し、動きを止め、人や町や……全てが白と黒色のモノクロカラーに染まっている。
ただし、スクレアムの影響(時間は止まらず、モノクロにもならない)を受けない存在がある。
ひとつはあの懐中時計『静寂刻みし時計(スタインス・クロッカー)』を持つ者。
つまり──翔哉。
そしてもうひとつ、スクレアム内にのみ存在する者。翔哉が探している“異形の者”。
ドンッ!
と、突然爆音の様な音が響いた。
「あっちか……」
翔哉は気だるそうに、その方向に向かって走り出す。
路地から少し離れた広場の様な場所────そこに、“そいつ”はいた。
「……“ブルーファ”」
異形の者。時の獣と書いて『時獣(ブルーファ)』。
彼らはこのスクレアムの中でのみ動き回る。
見た目は様々。
蛙や、犬や、牛みたいな奴や。
それらには、ある1つの共通点がある。
体のどこかに“時計”を模した印が刻まれているのだ。
今回のブルーファはトカゲの様な、体長2メートル程の化け物。
その太い尾に時計の印があった。
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