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急に襲われた激しい動悸からどれくらいが経っただろう。
彼女の目眩はようやく良くなってきた。
しかし頭痛は相変わらずで立つ事もままならない。
「ハァハァ…」
動悸も収まり始め、息遣いも段々と正常になる。
(…少し、疲れが出たのかしら…)
壁にもたれたまま、胸の鼓動が治まるのを手で感じる。
実際のところ病気にかかるような心当たりは無かった。
あるとすれば、今まで休みも無く仕事をし続けてきた為、少し疲れがでた。そんなところだろう。
彼女はそう考える他なかった。
先程パチュリーにも身体を気遣ってもらったばかりだ。
(さっさと寝室に行って身体を休めれば、きっと明日には治るわよ…)
彼女は半ば祈るようにそう考える
そして未だにずきずきと痛む頭に手を当て、もう片方の手で壁に支えられながらゆっくりと自室へと向かった。
ガチャリ。
自室の扉を開く。
そしてそのままフラフラとベッドまで行くとバタリと倒れ込んだ。
するとそのまま、彼女の意識はスーッと薄れ、眠りに落ちていった。
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