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「…咲夜、どうかしたの? いつもの貴方らしくないわ」
パチュリーは咲夜の様子がおかしい事に気付いてか、少し戸惑うような表情を彼女に向ける。
「あ…。いえ、その…」
「確かにあの子も失敗する事は多いかもしれないわ。 それでもあの子はあの子なりに頑張っているの」
いつもはゆったりとした口調のパチュリーだ。
咲夜はこの時ほど強い口調のパチュリーを見た事がなかった。
「それに、今回はあの子に非はないわ。 不慮の事故なの。 それに、あの子が自ら私の上になって、落ちてくる本から守ってくれたのよ」
「…そう…だったのですか…。申し訳ありません…」
咲夜は心がズキリと痛んだ。
「…もういいわ。レミィ達が待ってる。 後から行くから先に朝食を頂いていて頂戴」
その口調はいつものゆったりとした口調だった。
パチュリーはそれだけを言い残し、ふわりと浮くと小悪魔の後を追って行った。
咲夜はその後ろ姿にペコリと頭を下げると「申し訳ありませんでした」と声を挙げた。
頭を下げたまま何故自分でもあんな事を言ったのか分からず、悩みながらも小悪魔にキツい事を言った自分を悔やんだ。
そして気付いた。
いつの間にか頭がズキズキと痛んでいることに。
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