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「私はもうご飯食べ終わったもん。 ご飯の次はデザートなの」
フランドールはぷくーっと頬をふくらませ、美鈴の言葉をものともしない。
「ねー、咲夜。 私ケーキがいい!ケーキが食べたいの!」
テーブルから身を乗り出し、咲夜に迫る。
「すみません妹様。ケーキは無いのですが、今朝はフルーツをご用意しましたので。 今持ってこさせま…」
「いーやー!! 私はケーキが食べたいのー!!」
フランドールのあまりの声の大きさに、後ろに振り返ってメイド妖精を呼んでいた咲夜はどきりとする。
フランドールは駄々をコネはじめ、ケーキが良いと騒ぎ立てた。
「ケーキ!! ケーキー!!」
「本当に申し訳ありません。焼こうにも材料がありませんので…」
必死に宥める咲夜。
「……まったく、フランたら本当に子供なんだから」
レミリアは食事を続け、紅茶をすする。
「い、妹様。お願いですからフルーツで我慢なさってくださいな」
フランドールの声は頭にガンガンと響いた。
咲夜の頭痛をより一層に際立たせ、より苛立たせた。
「ほ、ほら妹様? 妹様の好きなイチゴもありますよー」
いつの間に持ってきたのか、美鈴はフルーツの盛られた大皿を持ち、フランドールの横でちらつかせていた。
「いーやー!! 咲夜の焼いたケーキが食べたいのーーー!!」
パキーンッ!!
「きゃっ!」
フランドールが美鈴の持つフルーツの盛られた皿を睨み、右手を突き出すとぐっと拳を握る。
それと同時に皿は粉々になり床に落ちた。
「もういい加減にして!!」
その瞬間、そこに居た誰もが目を丸くした。
突然声を挙げたのは咲夜だった。
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