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「咲夜、ここに来てからずっと休みなしでしょ? 吸血鬼のレミィや魔女の私とは違って、あの子は普通の人間。特異な力を持つ以外、それは変わらないわ」
「ええ、それくらい分かってる」
「そう、だから私は少し心配になってたのよ。だからあの誕生日会の日、咲夜に少し声をかけた。 無理はしないようにって」
「…まぁ、あの子の事だから何かあっても黙ってるか、自分でも気付かない内に溜め込んでるって事もあるだろしね」
レミリアは「はぁ」と大きく溜め息を吐く。
「あの子もきっと知らない内にストレスとやらを抱え込んでいたのかもね。 主として、それに気付かないなんて…。私もまだまだだわ」
「…精神的なものだけなら、まだいいけれど」
パチュリーはそう言うと残った紅茶をそのままに席を立ち上がる。
「どういう意味よ?」
立ち去ろうとするパチュリーの背中に声をかける。
「いいえ、何でもないわ」
それだけ言うと、パチュリーはスタスタと行ってしまう。
腑に落ちない表情でレミリアは「ふん」と鼻を鳴らす。
そしてすっかり冷めた紅茶をすする。
「……良い事思いついた」
レミリアは1人、ニヤリと不適な笑みを浮かべた。
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