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足音は廊下を近付いてきて、2年4組の教室の前で止まった。
幸子は恐怖でその場から動けず、誰かが入ってくる教室のドアをみることしか出来なかった。
ガラ…教室のドアが開き廊下に立っていたのは、
「由紀子(ユキコ)…」
上山 由紀子(ウエヤマ ユキコ)だった。
由紀子は中学時代からの友達で、幸子にとっては親友と呼べる程の間柄だった。
「…幸子が校舎入ってくのがみえたから…ここじゃないかなって…」
「……」
「……」
幸子と由紀子は黙ってその場に立ちつくしていた。
しばらくの沈黙の後、先に沈黙を破ったのは、
「ごめんなさい!!」
由紀子だった。
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