~思い出~

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この字は間違いなく、 「タケちゃん…」 そう、武司のものだった。 たとえ字がわからなくても、こんな事をするのは武司くらいだった。 1年生の時、幸子はインフルエンザで1週間程休んだ時があった。 インフルエンザが治り学校に来た幸子は、誰かに休んだ間のノートを写させて貰おうと思っていたが、机の中を見ると、今回みたいに大量のルーズリーフが入っていた。 「誰だろう?」 明らかに女子の字ではない、いったい誰が入れといてくれたんだろう。 幸子がずっと考えていると、 「よう、久しぶり。それ、お前が休んでた間のノート、字汚くてごめんな」 武司が話かけてきた。
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