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美鈴は……母さんの葬式の日に現れた女の子だ
美鈴には関係ないのに葬式に来た。だけど線香をあげた訳でもない
俺はただ辛くて、その場から離れたくて外に出た。俺の顔は涙で溢れていた。そんな時、美鈴が俺の前に現れて、隣りに座って……一緒に泣いた
普通だったら、ただの変な子って思うかも知れない。でもその時は、俺の側で一緒に泣いてくれる人が居る、と思って、とても心が救われた気分になった
その日から、俺と美鈴は良く一緒に居るようになった
最初は口数が少なかった美鈴だが、今は元気でありふれてる子になった
学校に着いて早々、先生に「妹さんか?」と聞かれたが「闇夜が僕のお兄ちゃん?笑わせるなぁー!」と美鈴が即答して俺は、ははは、と苦笑いになりながらその場から離れた
体育館に着き、俺と美鈴は入学式の準備に取り掛かった
美鈴は常に俺の側に居たが、ちゃんと働いてくれた
自分の身長に似合わない重い物を頑張って運んだりして
俺からは勿論、周りの人達からも可愛いくて頑張り屋さんだなぁ、と暖い目で見ていた
正直1番働いたのは美鈴だったのかもしれない
美鈴「あ、闇夜……ぜぇー…ぜぇー………僕、が、頑張ったぞ!」
闇夜「あぁありがとう。とても助かったよ」
そう、言って美鈴の頭を撫でてあげた
美鈴「ば、馬鹿にするな!僕は……こ、子供では無いぞ?!」
闇夜「はは、そうだな。とりあえずそろそろ時間だから、美鈴は教室に行かなきゃ」
美鈴「闇夜、教室がわからん。送って行くのだ」
闇夜「はいはい、わかったよ。じゃあみんな、ちょっと離れるから」
「いってらっしゃい♪可愛い妹をちゃんと送ってあげなよー?」
闇夜「妹じゃないってば。それじゃあね。美鈴行くぞ?」
美鈴「僕を待たせるな。早く案内頼むぞ」
俺は微笑みながら美鈴を教室まで連れて行った
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