高校

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美鈴を教室に送って、俺は体育館に戻った 正直なとこ、美鈴が心配だった 友達はできるか クラスに馴染めるか 苛められはしないか 美鈴と別れる時に美鈴は「僕の心配など無用だ。良いから闇夜は早く戻るのだ」と言ってはいたが、美鈴の目は寂しそうな目をしていたように見えた だから不安でしょうがない そんな事を考えてると、入学式が始まる前のチャイムが鳴った 1人の先生がマイクを持って舞台の横に立つ 「ではこれより平成21年度、入学式を始める。新入生を拍手で迎えよう」 パチパチパチと全員が拍手する 階段から降りてきた新入生は真ん中の道を通り、舞台の前に並べてあるパイプ椅子に座っていく 新入生の列の中で歩いている美鈴を見つけた 美鈴は無表情で歩いていた と、突然美鈴がキョロキョロし始めた そして俺を見つけると笑顔で手を振ってくる 俺も微笑み、美鈴に手を振り返した それからの美鈴は俺に見られてるのを認識したかのように、ギクシャクしていた そんな美鈴が可愛いくて、本当の妹を持った気分になる 先生がドンドン新入生の名前を呼んでいく そして美鈴が呼ばれる番になった 「波季 美鈴(なみき みすず)」 「う、うむ!で、では無くて……はいっ!」 体育館で笑いが起きた まぁあんな間違え方する人居ないだろうしね 美鈴は顔を真っ赤にしながら、俺に目で訴え掛けてきたが俺も笑っていた為、むぅー、と、ほほを膨らませ前を向いてしまった そんなこんなで入学式は終わった 勿論、帰り道では美鈴がいじけたままだった 美鈴「闇夜だけは僕の味方だと思ったのに、見損なったぞ!」 闇夜「ごめん、ってさっきから言ってるじゃないかぁ。………しょうがないなぁ。じゃあアイス買ってあげるからさ」 美鈴「ほ、本当か闇夜!」 美鈴は目を輝かせながら俺を見てくる
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