夕食

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ゴンゴンゴン。 ゴンゴンゴンゴンゴンゴン 「…。」 呼び鈴はきちんとついてるんだけど。 これから起こる事態を予想してげんなりしつつ玄関へ向かった。 扉を開けると見慣れた男が1人 大荷物両手にすごい形相で立っていた。 「連絡しろタコ!!!!」 「あ…充電切れて…」 「そんなこったろうと思った…どけ。」 ズカズカ部屋に入って持ってきた食材で手際よくご飯を作り始めたこいつは ママの旦那さんの子供。 浄太という。 何でもさらりとこなす要領の良さがあり、私の監視役としてママ達から派遣されてくるようになった。 「ちゃんと服着ろ。飯は3食食え。風呂入って寝ても腹はたまらねぇんだよ。」 浄太は、また痩せたな、と私の胸に手を当てて深い溜め息をついた。 「…セクハラ。」 「つかめる胸になってから言え。」 …こういう奴だけど、根はいいやつだ。 私の為に泣いてくれた ただ1人の親友。
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