ひとり部屋

2/3
前へ
/10ページ
次へ
「はっ…」 「おい」 強く突かれて 自分の体が真っ二つに裂ける感覚に襲われた。 「生きてるか?」 「…。」 睨み付けると、男は満足そうにほくそ笑んだ。 見渡してもテーブルとベッドだけ 灰色に囲まれた殺風景なこの部屋は あたしにそっくり。 あたしの居場所。 このベッドは1人ならどんなに身体を投げ出しても十分すぎるくらいなのに 2人が入るにはずっと狭い。 「お前、濡れすぎ。」 嫌な奴。 自分が気持ち良くなるためにしているくせに。 「うるさい…。」 男の引き締まった半身が月夜に照らされる。 この太い腕に抱かれていると思うと 吐き気がした。 どうして大きなものが 小さなものに入ろうとするの。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加