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あたしがここで暮らし始めて、何ヵ月が経っただろう。
別に何がしたかったわけでもない。ただ、ママの人生を邪魔したくなくて
適当な理由を付けて家を出た。
「ママ、私家を出るね。」
「どうして?」
ママは酷く悲しそうな顔をした。
「そんな顔しないで。ママにはママの人生がある。私もよ。」
彼女の新しい旦那さんはとても優しい人だった。彼女を愛しているし、あたしの事も本当の娘のように可愛がった。
あたしの父親なんて、足元にも及ばないくらい。
でも彼女が
ママが
時々1人で泣いている事を
私は知っている。
酒くせが悪く、女にもだらしのなかったあたしの実の父親を
ママは本当に愛していた。
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