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その男は性処理はデリヘルで済まし、風俗の常連客だった。
一時間だけの恋愛と呼んでいた。記事カテゴリー性蜜の時間。
唇を這わせ、舌を入れるキスを交わす、官能の時間。
下半身は熱くても、思考は冷静なまま、冷めた目で相手のツボをついて喘がせる、男の性(さが)。
男は頭が良すぎる為に、恋愛感情の根源は、結局、性欲の権化だと気づいてからは、恋愛そのものに意味を見いだせなくなっていた。
好きな彼女を見ても、抱きたいだけなら、風俗で済ますのと同じなんじゃないかとか、軽くジレンマに陥っていた。
空しい貪りの時間を恋愛と呼ぶ男。
醒めた思考回路と、それでも欲しい温もり。欲望に餓えた獣か、渇いてもなお抗えない母性の海への回帰か。果たして自分はどちらか、どちらともなのか
男は煙草の煙を吐き出すと、いつもの堂々巡りの思考を止めた。煙草をもみ消すと、しばらくしてホテルのフロントから、デリヘルに電話をかけた。
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