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「所で平のんってテニス上手いの?」 達久はタイミング良く話題を変えた。 何とありがたい事か。 「別に普通。だけど松山と高橋は別次元で強いから、それ抜かしたら俺はまあまあだと思う。中学の時は県大会まで行った」 「おお、すげえ」 「でも松山にこてんぱんにされた…」 「………」 とても気まずい空気になった。 「この前、竜司とラリーやってたけど上手だったもんね」 「普通だよ。まあ、飯山が応援してくれたから張り切ったけどね」 「え、何それ?!応援?!」 そういえば、その時の達久は海斗と喋っていたからいなかった。 「わはは、お前はあからさまだな」 「うっ、うるさい。とにかくだ、結衣は放課後までに調べておけ」 「了解!」 昨日の母の情報だけでは足りない。 そうとなると学校内の情報を沢山持っているであろう人物に聞くしかない。 「絵梨佳、地震の事で聞きたいんだけど良いかな?」 「私?無理無理。地学とってないし、マグニチュードとか言われても全然分かんないから」 確かに地震の事だが、聞きたいのはそういった情報ではない。 「あ、いや。その地震についてじゃなくて、この前起こった地震の時の事なんだけど。どんな事があったかとか」 「ああ、そっちね!びっくりしたじゃん」 「普通に考えて結衣が絵梨佳にその地震について聞く訳無いでしょ」 可奈は呆れ顔で言った。 「失礼な。それで聞きたいのって、地震の時に私が何してたかとか?」 「絵梨佳や周りの人で何かあったとか、噂とか」 「うーん…。あ!噂と言えば、意識不明になった面子ってみんな若い子ばっかりだから、何か若い人に恨みがあるものの仕業とか噂になってたかな」 「そう言えばそうだね。意識不明って、うちの学校の生徒と病院患者数名だけってのも変な話だし」 「え?!病院患者?」
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