デジャヴ

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「はい」 絵梨佳は結衣に携帯を差し出した。 受け取った手が震えている気がする。 画面には絵梨佳と、隣にいる金色の髪の青い目の少年が笑っていた。 ただ、その少年は本当に少年だった。 多分、年齢は小学生くらいだと思われる。 「違う…」 それに顔が違う。 画面の少年は綺麗だが、エリックとは違う。 目も鼻も口も。 「違うって失礼な。確かに小学生だけど、紳士なんだから。いつかは手懐けて私の…ヒヒヒ」 絵梨佳はいやらしく笑った。 結衣は黙って絵梨佳に携帯を渡した。 「うわー恐いわ。エリック君も可哀想ね、こんなおばちゃんに目を付けられて」 画面を覗いていた可奈は震える素振りを見せて言った。 「何よそれ。結衣も違うだなんて言うし、酷いわよ!ねえ、結衣。って結衣?どうした?」 「あ、ううん。ごめんね、違うだなんて言って。知り合いに似てたから」 結衣は笑って言った。 落ち込んだ顔をすれば変だと思われるに違いない。 「え、知り合いにこんなイケメンいるの?」 「えーと、まあ、あはははは」 「ちょっと会わせてよ」 「今度ね」 「やった!」 絵梨佳はガッツポーズをした。 でも私がいつ会えるのか分からない。 海斗も竜司もいた。 だからリナやレナだって、エリックだっているはず。 いるって信じたい。 落ち込んだり塞ぎ込んだりするのは凄く簡単。 だけど、そんな事しても見つかる訳じゃない。 もし会ったとしたら、その時はもっと成長した自分で会いたい。 だからたまには落ち込むけど、それでも前向きに生きてる私でありたい。 ねえ、どこにいるの?
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