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「おはよーっす」 「よーっす、ってもう昼だっつの平のん」 達久はちょうど弁当の蓋を閉める所だった。 「だって俺、今日は検査だから」 「検査?…ああ、そういや平のんも地震の時、倒れたんだっけ。別に授業終わった後でいいじゃん」 「部活出たいから嫌だね」 「お前、いつからそんなに部活好きになったんだよ。検査はどうだった?」 「問題無し」 「だろうな。そうかー…」 達久は腕を組むと、うーんと唸った。 「何だよ」 「いや、昨日聞いた事を整理中」 「ああ、松山ファンに俺がこてんぱんに言われた事か」 「いやそのどうでもいい話じゃない」 「どうでもいいって失礼な。そういや達久は検査いつだ?」 「来週の予定。あ、おい結衣」 達久はちょうど弁当を食べ終わって、可奈と絵梨佳と喋っていた結衣を呼んだ。 「何?」 「お前、情報収集したよな?」 「え?まあ、したような、してないような…」 多分、してないに近い。 「おーい、頼むぜ」 「すみません。これからします」 「よろしい」 達久は偉そうにふんぞり返った。 「なあ、情報って?お前らどういう関係な訳?高橋とかも絡んでるみたいだけど」 「さあね。俺達は秘密の関係だから教えられん」 「あはは…」 確かに秘密だが、秘密の関係なんて言い方は誤解を招きそうだ。 「あっそ。飯山、昨日大丈夫だったか?」 「昨日?何かあったっけ?」 「俺がボールそっちに向かって打っちゃったからさ」 平野は気まずそうに言った。 「あれなら全然大丈夫だよ。あたってないし。あれ、平野君がわざとやってくれたんだよね?お陰で竜司と喋れたから助かったよ」 「竜司?飯山、高橋と仲良いの?」 平野は首を傾げた。 「あ…あははははは。まあ、ね」 笑って誤魔化すしか無い。 自分は上手い言い訳が瞬時に思い浮かぶ程、頭の回転は良くない。
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