サンタさんへのお願い

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でも、くうちゃん、ほんとうは あんまり学校がすきじゃありません。 なぜって、くうちゃんの きらいなことばっかり しないといけないんだもの。 今日だって、1時間目は こくご。 くうちゃんの 本よみの じゅんばんが まわってくると、みんなが クスクス 笑います。 いっしょうけんめい よんでも、やっぱり、どこか すこし おかしいみたい。 2時間目は、さんすう。 10本のゆびより すうじが大きくなると、なかなか こたえが わかりません。 くうちゃんは ずーっと、手を あげることが できませんでした。 3時間目は、たいいく。 みんな コロンとまわって、きれいに 立ち上がるのに、くうちゃんは マットの上に ドターンっと ころがったまま、おきあがれません。 4時間目は、おんがく。 みんなで いっしょに うたってるはずなのに、なぜか くうちゃんの声だけが めだってきこえます。 みんな「くうちゃんって おもしろいなぁ」と笑います。 いちばん 楽しいのは、きゅうしょくの時間かな。 くうちゃんは すこしくらい きらいな おかずがでても がんばって ぜんぶ 食べます。 こんな学校生活なので、くうちゃんは いつも みんなの 笑いものです。 まるで まっかなおはなの トナカイさんみたい。 けれど、くうちゃんは トナカイさんのように 泣いたりしないで「えへヘヘヘ…」と 笑うだけでした。
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