サンタさんへのお願い

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クリスマスまで あとすこし という日になって、くうちゃんは おかぜを ひいてしまいました。 今日は 学校 お休みです。 「あんなに 楽しみにしていたんだから、クリスマスまでには 元気になろうね」 おふとんで ねている くうちゃんに、お母さんは そっと いいました。 目がさめても、くうちゃんは おふとんで ねていなければ いけません 。 「ひまだなぁ。おべんきょうは きらいだけど、おともだちと あそべないのは つまらないよ」 それでも あたまも おなかも いたくて、いつもの元気な くうちゃんには まだまだ なれないみたい。 「くうちゃん、もう お昼すぎてるから ごはん 食べようね。ちょっと おきれる?」 くうちゃんは ゆっくりと おきあがりましたが、お母さんが もってきました おかゆを みて がっかり。 きっと 学校のおともだちは おいしい きゅうしょくを 食べてるはずです。 「おなか いたいんでしょう?  なおったら、また いっぱい だいすきなもの 食べようね」 お母さんに そう言われて、くうちゃんは しぶしぶ おかゆを 食べ始めました。 「ねぇ、くうちゃん。そろそろ サンタのおじさんに会って なにがしたいのか 教えてくれないかな」 お母さんが たずねます。 でもくうちゃんは 「だめだよ。クリスマスが終わったら、教えてあげる」 というだけです。 「でもね、もしクリスマスの夜までに おかぜが なおらなかったら、サンタさんには あえないかもしれないわよ。 そのときのために、お母さんには 教えてくれないかな?」 くうちゃんは 食べようとしていた スプーンを持つ手をとめて、少し考えると 「ぼくね、サンタのおじさんに ききたいことがあってね。 もし おかぜが なおらなくて、サンタのおじさんに 会えなかったら、お母さんが かわりに きいてくれる?」 といいました。 「もちろんよ。それで、くうちゃんが サンタさんに ききたいことって どんなこと?」 「えーっとね……」 くうちゃんは すこし だまって、それから 「やっぱり ひみつだよ。ぼく、ぜったい 元気になって サンタのおじさんに あうんだから」 というと、スプーンを グッと お口に いれました。 くうちゃんが サンタのおじさんに ききたいこと。 それって、どんなことだろう?
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