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「あたしは友達と公園にいました
公園で他愛ない会話をしていたら急に音が聞こえました
何かの音が…
良く聞こえなくて聞き取ろうとして耳を澄ませたのです
そうしたらいきなり辺りが真っ白になりました
眩しくて目を閉じそれをやり過ごしたは草原に立っていました
その場にいたのはあたしひとりで…
友達が見当たらないんです…
もしかしたらあたしだけが此処に来たのかもしれませんが…」
麻穂は目を伏せて黙る
未だ黙り込んでいる信玄
その様子を見ている佐助と赤い服を着た青年
『そなたの事情はわかった
これから儂を父と思い幸村を兄弟と思って此処で暮らすが良い
甲斐の虎武田信玄はそなた翰羽瀬麻穂を歓迎しようぞ』
佐助は麻穂を抱き締める
『良かったね麻穂ちゃん』
『はっ…』
「は?」
『あちゃぁ…』
佐助は咄嗟に麻穂の耳を塞ぐ
『破廉恥であるぞ佐助ぇぇえ!!!///』
「なにが?!」
思わず突っ込んでしまう麻穂
佐助はうんうんと頷き麻穂から離れる
『抱き締めただけで破廉恥ってね旦那…』
「旦那…?」
『あぁ!某は真田源二郎幸村と申す』
「幸村さん?」
『さんとはなんでござるか?』
「え…あぁそうか…敬称です
こちらで言う殿に当たる筈です」
『へぇ勉強になるね旦那
ていうか麻穂ちゃんっていくつ?
旦那と同じ位だよね?』
「あたしは19です」
『ってことは旦那より歳上じゃん』
『誠でござる
某は麻穂殿とお呼び致すが麻穂殿はさんなどと某に敬称はつけなくとも良い』
「わかった
よろしくね幸村」
麻穂は笑顔で幸村に手を差し出す
幸村と佐助は首を傾げる
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