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「長閑だねぇ」
『いつもこんなんだよ此処は』
「良い事だと思う
あたしが居たところは平和だったけど忙しいかったな」
『なんで?』
「皆スタスタ歩いて…
こうやってゆっくり歩くのって凄く久し振りな気がする」
『麻穂ちゃんの場所は大変だね』
「うん
毎日勉強して、働いて
面倒だったけどそれが普通で日常だった」
『勉強かぁ…俺様には無縁かな(笑)』
「そんなこと無いと思うよ」
『あ…此処だよ』
『いらっしゃい
おや今日は女の子連れかい?』
『まぁね
お団子2本ちょうだい』
『あいよちょっと待ってな』
『此処雰囲気も落ち着いてて居心地良いでしょ?』
「うん
ついつい長居したくなっちゃう」
麻穂は辺りを見渡して言う
佐助はそんな麻穂を愛しそうに見つめる
『ほらお団子だよ1本はオマケだよ
ゆっくりしてきな』
「有り難うございます」
麻穂と佐助は他愛ない会話をお団子を食べながら続ける
『おっ!佐助か?』
『あらら…風来坊の旦那』
『おっ佐助のいい子かい?』
「いい子って?」
『麻穂ちゃんは気にしないで
彼は前田慶次
前田の風来坊で有名』
「翰羽瀬麻穂です」
『麻穂ちゃん違うでしょ?』
「あ…武田だった」
『てことはアンタが愛姫さんか!
可愛いな』
慶次は麻穂の頭を撫でる
「…此処に来てから良く頭を撫でられる様になった」
佐助は苦笑する
『そう?まぁ俺様が一番撫でてるしね』
『もうかすがは良いのか?』
「かすがさん?
佐助さんかすがさんの事好きなの?」
『んにゃ
ただ単に同郷のヤツってだけ
まぁアイツ軍神を暗殺しようとして行ったら
見事に惚れちまって里に戻れなくなったんだ』
「…随分…」
麻穂は呆れ笑いをする
『今度は何処に行く?』
「この辺ぶらりしたいな」
佐助は机の上に代金を置いて店を出た
『漸く佐助にも春が来たな夢吉』
『キキッ!』
慶次はお団子を頼む
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