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のんびりとふたりで城下町を歩く
麻穂はふと簪屋を見つける
「簪だ…」
『欲しい?』
佐助は簪屋を覗く
「付け方とか良く判らなかったりするんだけど…」
『俺様が教えてあげる』
「でもお金も無いし…」
『あのねぇ…俺様が買ってあげる
麻穂ちゃんは遠慮し過ぎなの
少し位頼って良いんだよ?
此処に来てから一回も我儘とか言ってないし…
麻穂ちゃんは武田の一員なんだから、ね?』
佐助は麻穂の頭を撫でる
麻穂は佐助の顔を見る
「有り難う佐助さん」
『じゃぁ選ぼうか』
麻穂は頷いて簪を見つめる
『いらっしゃい
どんなのが良いんだい?』
「うーん…
どういうのが良いんだろう…
佐助さんはどれが良いと思う?」
『麻穂ちゃんならなんでも似合うからどれでも良いけど俺様的にはこの翡翠色のヤツかな』
佐助は翡翠色の簪を麻穂に見せる
麻穂はその簪を手に取り見つめる
『アンタ良い奴選んだね
それはもう誰にも作れないヤツなんだ』
『へぇ…
どうする麻穂ちゃん?』
「凄く綺麗…これが良いな」
『おばちゃんこれちょうだい』
『あいよ
ちょっと貸しておくれ』
店のおばちゃんは綺麗な和紙に簪を包み麻穂に渡す
『良い人を見付けたね』
「へ?」
『俺様はそんなんじゃないんだな』
『けど好きなんだろ?』
『さぁねぇ
じゃぁそろそろ帰ろうか
旦那達も心配するだろうしね』
「うん
ありがと佐助さん」
『どういたしまして』
佐助は代金を払い店を出た
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