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~4月下旬~
賢人は野球部の仮入部に来ていた・・・。
賢人自身野球は好きだったが習ってはいないという状況だった。
「野球部かぁ~俺もホームランとかファインプレーとかやってみたいなー」
そんな気持ちで仮入部に向かった・・・。
しかしそんな気持ちとは裏腹に野球部は学校の裏でトスバッティングをしていた・・・そこに先生がやってきた。
「えー野球部に来てくれてありがとう・・・みんなは小学校のころ野球やってたかな?」
ほとんどの人がハイ!といっていて言わなかったのは俺と俺より少し背の低いやつが2人だった。
「まぁ~今日はトスバッティングだから先輩と一緒に練習してくれ」
そう先生がいうとみんなそれぞれ先輩の元へ走っていった。
俺も一緒に行ったメガネをかけたやさしそうな先輩と体格がすごくいい先輩だっ
た・・・
「君名前は?・・・僕は佐藤だよ」
メガネをかけた先輩が言った。
「俺は木村だ」
と体格がよい先輩が低い声で言った。
「ハイッ!えっと僕は秋沢 賢人です・・・野球経験はありません!」
「そうか俺も中学から始めたんだよ!佐藤は小学校からやってたんだよな?」
と木村先輩が聞いた
「ああ」・・・そんなこんなしているうちに自分の番がやってきた
「行くぞ秋沢!」
フワリとボールが手から離れた俺はおもいっきりスイングしたが「カッ」とかすった感じの音でボールはネットの中にははいらなかった。
「秋沢君いくら野球経験がないからってこんなにゆっくりの球なんでネットに入らないんだい?」
佐藤先輩が機嫌悪そうに言った
しかし
木村先輩が
「しょうがないだろ秋沢は初心者なんだからよ!」
それ以降もボールはネットに入る回数の方が少なかった
正直もう打つのはいやだった・・・
交代で俺がボールを投げ木村先輩が打つ番だった
「お願いします!」
俺はボールを投げ始めた、木村先輩は普通にネットに入れていた・・・しかし
「秋沢!!!なんでお前は変な所ばっかにボール投げるんだよ!打ちにくいんだよ」
と明らかに怒っている口調だった
「すいません・・・コントロールが悪いんです」
と頭を下げたが
「コントロール?こんな球にコントロールも糞もあるかよ!佐藤!お前がボール投げろ!こいつじゃやりにくくてしょうがない!」
「分かったよ・・・秋沢どいてくれない?」
「あっハイ・・・すいませんでした」
あの俺をかばってくれた木村先輩はどこにもいなかった・
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