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(先生に誉められちゃって…!女は所詮女って事に気付かせないと!)
まだ構えから少しも変わらずいる音羽から小手を取ろうと重いからという理由で防具を着けていない手首を狙う
―――スカッ
「え!?」
音羽が右手を竹刀から離して小手を回避した挙げ句、左手一つで一寸もぶれる事なく栄太郎の面を取ろうとした
「―――っ!」
持ち前の反射神経を存分に使いなんとか免れたが解せなかった
(なに今の…あんな細い手首で…)
音羽がそこらの女より強いのは栄太郎も分かっている。が自分には敵わないと思っていた矢先にこれだ
試合は時間無制限の一本試合。道場に夕陽が差し込み音羽たちを照らす
「来やんのでっか?なら次はこっちの番や」
右手に竹刀を持ち直し攻撃を仕掛ける
「しゅ、俊輔!なんで片手であんなに強いの!?」
「しかもぶれていないのが更に不思議だ」
「栄太郎と同格ぐらいじゃねぇか」
音羽が仕掛けた攻撃を交わして栄太郎も負けじと攻撃する。小手がダメなら当てないようにして面を、としても身体ごと避けさせる
「栄太郎ー」
俊輔が栄太郎に稽古用の槍を投げた
音羽に、女に自分が得意とする槍を使いたくなかったがこのままでは平行線だ
「俊輔の馬鹿ぁ!栄太郎に槍なんて鬼に金棒じゃん!」
「ククッ、まぁ見てろって」
((俊輔が黒い))
俊輔の言われるままに再び音羽と栄太郎の試合に目を向ける
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