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「ほら栄太郎、汗拭け。音ちゃんも。風邪ひく」
「お疲れ様二人共~」
「うわ、九一今寄んないでよ。男に抱き着かれる趣味なんてない」
「音ちゃんに抱き着きたかったけど俊輔がいるもん」
手もいつの間にか離れていて九一が指差す方に音羽の汗を拭いてやる俊輔
恋仲と言うより兄妹かもしくは親子
「どうだった試合は」
「楽しかった!」
「おー、そりゃ良かったな」
兄妹決定だ
だがその二人に栄太郎は胸の周りがムカムカする。九一は横で「仲良いね」と呑気に言い益々栄太郎の機嫌を損ねせる
「先生、音ちゃん家に届けるんでそのまま今日は帰りますね」
「えぇ、お願いします。音羽さん、また来てください」
「へぇ、おおきに」
仲良く背を並べて俊輔と音羽は帰り、残った者は後片付けをする
「栄太郎?」
「……なに?」
不機嫌な顔は隠す気ないらしい。九一の呼び掛けもかなり素っ気ない
「もしかして音羽ちゃんに惚れた?」
「はぁ!?」
「ふふっ、栄太郎が音羽さんに恋ですか。珍しいことが起こるんですね」
「違います先生!僕はあんな色気も何もない子供に惚れたりしません!」
九一の発言に松陰も嬉しそうだ。晋作と義助はニヤニヤと笑っている
「栄太郎がな…俊輔がいたら面白かっただろうに」
「逆に栄太郎は色気のある女が良いのか?」
「ううん?別にそうじゃないよ」
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