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忘れるなと言わんばかりに泣く天音。奏と彼方は外で待機し、中で天音に母乳をやる
「そっかぁ。そないな事が……不謹慎かもしれへんけどうちは音羽ちゃんに会えて嬉しい」
「うん。うちもや」
「愛次郎はんと小桃、うちと愛次郎はんの子供な?散歩や言うて今おらんのよ」
「あ、そうなん?」
母乳をあげ終わると天音の背中を軽く叩いてゲップをさせた
「さすが音羽ちゃんの子やなぁ。めっちゃかぁいい」
はい、とあぐりから天音を渡されて愛しい温もりが腕から感じられる
「ほんで音羽ちゃんは吉田はんの元に行くん?」
「……こないな勝手な事したから、会わす顔ないわ。」
「そっか」
お腹が膨れて満足した天音は可愛らしい寝息を発てて寝ている
「いつになるか分からんけど、稔麿がこっちに来て謝ってから京に帰ってくる」
ただし、長州に行くにはお金も必要だが天音に与える母乳がいる
「母乳どないしたら出るやろか…」
腹の傷は癒えて消えたが天音にやる母乳が出ないと天音を育てていけない
「天音ちゃん産む前に、やからなぁ。暫く様子見てみぃな。あと鯉こく食べるとか」
考えれることは全て実行するしか手はない。あぐりに頑張ろと言われて少し元気が出た
「ただい―――え?音羽、ちゃん…?」
散歩から帰ってきた元新撰組隊士 佐々木愛次郎が音羽の姿を確認して目を瞬かせた
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