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「でも愛次くんの話し聞いてたらそ――イダダダダダ!!!?」
あぐりに抱かれていた小桃が彼方の髪を引っ張り出した
「痛い!痛い!髪全部持っていかれる!」
「きゃ~!」
「コラァ小桃離しなさい!!」
小桃は目を爛々と輝かせてあぐりの声を無視し尚、引っ張る
「小桃、ほらでんでん太鼓」
愛次郎の手に張られた革が紐の先についている小玉に当たり音を鳴らさせると小桃は彼方の髪から手を離した
「小桃はこれが好きなんだ。おいで」
あぐりから愛次郎に手渡され小桃はでんでん太鼓で遊び彼方は疲れきっている
「ハゲてない俺?髪の毛ある?」
「ちゃんとある。それに多い方だから数本抜けても変わらない」
「それでも一カ所だけハゲてたら嫌じゃん!!」
「切っちゃえば良いだろ?暑いんだしちょうど良いじゃないか」
さっきから騒いでいるのにスヤスヤ寝ている天音に音羽は密かに苦笑いを零した
陽が暮れ始めた頃にまた来ると告げて帰路へ着く四人
「可愛いけど小桃はある意味鬼だ」
「あはは…天音には真似さしたらあかんな」
「ちぃは基本おとなしいから平気ですよ」
ちぃとは天音の名前が分からなくて小さく可愛い子と言う意味でつけた名前だ
名前が分かった今でも愛称として呼ぶ
「今だけやないかなぁ?うちの子やし、成長したらおてんば娘やろね」
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