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また栄太郎たちの肝を潰す思いになった。少女は栄太郎たちが後を追っているのを気付いてたのだ
「やっぱりバレたかー音ちゃん」
「ふふふっ。でも気付いたんは町を抜けてからやで」
端から分かっていた俊輔は言われるがままに姿を現し少女の名らしきものを呼ぶ
「俊輔…その子のこと知ってんの?」
「うん。京から引っ越してきた鍛治屋の娘」
「音羽言います。よろしなに」
袖で口元を隠して小首を傾げる仕種がなんとも愛らしい
「なんで言わないのさぁ!!!」
「異議申すわ!!俺は始めっから言おうとしたのに栄太郎と九一が尽く遮ったからだ!!」
キレられる筋合いはないと言わんばかりに両腰に手を当て鼻をフンッと鳴らす
思い当たる節があるようでグゥの音も言えない
「それはさておき、俺らのこと知ってるか?」
「俊輔さんから話しは色々と聞いてまっけど顔までは……」
音羽の会話からにして数回は会っているみたいだ。九一が待ってましたと身を乗り出す
「僕一番目ね!!入江九一!好きに呼んでね音羽ちゃん!」
「二番目、吉田栄太郎。一応俊輔の幼なじみで俊輔は僕の下僕」
「違うだろ。高杉晋作だ」
「久坂義助」
「入江さん、吉田さん、高杉さん、久坂さん…でよろしいでっか?」
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