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「うわぁ……」
音羽が居なくなった後に思わず俊輔の口から感服した声が漏れた
「自業自得」
「当たり前」
「馬鹿だね」
音羽じゃなくても女なら一発殴る発言だ。それ故に栄太郎を同情する者がいない
「っ……まさか、急所蹴るなんて…」
「ドンマイ栄太郎!」
親指を突き立てて明らかに面白がっている九一に栄太郎は軽い殺意が芽生える
「まだ痛いし…」
「よほど腹が立ったんだな」
晋作はニヤける口元を手で隠すが肩が震えている時点で隠しきれてない
「珍しい。晋作が笑うなんてよ」
「いや、あれを笑うなってのが無理」
「ぶはっ!確かに!」
俊輔と晋作にケラケラ笑われても急所が痛すぎて睨むことしか出来ない栄太郎であった
**************
「えっーと?此処…なんかな。よし」
翌日の夕方、袴姿の音羽は紙と今いる所を何度も睨めっこして息を吸うと
「たのもォォォオ!!!!!」
それは鬱憤を晴らしたい時に海に「ばかやろォォォオ!!」と叫ぶのと同じくらいの掛け声だ
「音羽ちゃん!来ないんだと思ったよ!」
出迎えたのは九一だった。しかし彼女は九一の胸倉を掴み一言
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