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十数分前の峰山に戻り、酒出の視線を正面から受け止めている。
「そんなもの、調べれば分かる事だぞ」
「えぇ、どうぞお調べ下さい」
強気の峰山の理由が、酒出には分からなかった。
警察がここまで介入し、愛人達との関係を自供したなら、遅かれ早かれ狂言誘拐の首謀者が、峰山自身だという事実は明らかになる。
どうあっても、逮捕は免れないだろう。
「何だ、何があるってんだ」
「警部補……」
心配そうな目で、酒出を見詰める松本の視線も届かないくらい、酒出の頭はフル回転している。
例のポーズの指の弾き方も、普段では見せない力強さだった。
「酒出。俺達は銀行の防犯カメラの映像を検証し、事実関係の裏付けを取ってくる」
「あぁ、頼む……」
既に銀行から映像を押収してるなら、銀行が閉店していても、それをするのは可能だろう。
北方がそう言ったのだから、映像の押収は完了している筈。
「刑事さん、そろそろよろしいですか?」
「いや、まだだ」
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