§2§

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…どうしてでございましょう…。       …何故…。       …すまぬ。       『…女…?…男…?』 私は 暗い闇の中に漂っていた。   悲しい女性の気持ちと悲しい男性気持ちが 私の体を包み込んだ。   『重い…。』 私は だんだん 息苦しくなり…必死にもがいていた。  『…うっ…た…助けて…。ねぇ…何が…あったの…?』   私は 手を延ばした。 しかし、空を掴むばかりで…私の回りの重苦しい何かは 消えなかった…。   …リン…リン…リン…。   私は 微かに小さく弱々しい鈴の音を耳にした。   『…鈴?』 私は 自分の懐にある鈴に手を延ばした。   不思議な事に 鈴に触れたとたん…。 私は 光に包まれた。   『…お願いです。助けて下さい。』 誰かが 私に話かけてきたような気がした。 光に包まれて私は 体を動かし目を開けた。   開けたとたんに 私の体は 下へ下へと落下していった。 『…!?キャー!!助けて!!』   私は 自分の悲鳴で 悪夢より目が覚めた。
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