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「キャー!!助けて~!」 目を開けると 天井が目に入った。   「…夢?」 私は 汗だくになりながら体を起こした。 「大丈夫か!!目が覚めたか?」 さっと 誰かが 私の体を支えた。 「…え!」 隆丸は 心配そうに 私を見ていた。 「ひ…ひゃあ!」 私は 驚いて再び悲鳴をあげてしまった… 「ど…どうした!どこか痛むのか?」 「え…えと」 何と 返事していいのか考えあぐねていると 「…失礼いたします」 楓さんが 入ってきた。 「…若君…何をなさっていますか?」 「起き上がるのを支えていた」 楓さんの質問に 隆丸は 普通に答えていた。 「それは、私達の仕事にございます。」 「…そか」 隆丸は そぅいって私から離れた。 「それに…もう少し 相手の事を考えてあげて下さいまし。驚いて固まっているよぅですが…大丈夫ですか?」 楓さんは 私の顔をじっと見ていた。だけど、私は恥ずかしくて顔をあげれなかった。 「…すまぬ。」 「…い、いえ。」 「具合はよろしいよぅですね」 楓さんに 声をかけられ私はうなずいた。 「私は…どうして?」 どうして 隆丸がここにいて、寝ていたのか わからなかった。 「食事の途中にて意識を失い…三日は過ぎたよぅですねぇ」 「!?三日!?食事途中に…」 私は 思い出そうとした。 「…すまない。私があんな話をしたからだと楓に怒られたよ…」 すまなそうに隆丸に謝られて私は 思い出した。
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