133人が本棚に入れています
本棚に追加
そう…。
隆丸から私は 鈴の話を聞いていたのだった。
「…どうして…姉姫様の手だけ…」
私は 隆丸に聞いてみた。
「ん?…どうしたんだ?」
隆丸は 不思議そうに私に聞き返してきた。
「…いぇ…気になったので…」
隆丸は 私に首を振った。
「気にしなくてよい…そなたは…その話で気を失ったではないか?」
「…はい。でも…もしかしたら…」
隆丸は もう一度首を振った。
「ならぬ…。その話は…終わりだ。機会があれば…お祖母様に聞いてみよぅ…正直な話…私は詳しくしらないんだ…。」
隆丸は 苦笑いしながら答えた。
「…はい。」
私は 釣られて苦笑いした。
「さあ…今日は、もう寝なさい…。病み上がりなんだから…。」
隆丸は 私の頭を撫でて席を立った。
私は その言葉に従って布団に入った。
「後で…また、様子を見に来るよ…」
そう いい残して隆丸は 部屋を出て行った。
「…鈴かぁ。私が元の世界に帰る為に…何か関係あるんだろぅね…」
私は 自分の着物から出て来た鈴を眺めた。
だけど…やはり 鈴は 何も答えては くれなかった。
最初のコメントを投稿しよう!