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桜が 満開になった事に気が付いたのは 学校の帰り道 静音の一言だった。
「彩香見て!」
学校からの一本道が桜が満開になり鮮やかな桜色に彩られていた。
「本当だわ!綺麗ねぇ…でも毎年見ている桜より色が…」
「気のせいよ。」
私の言葉を静音は遮って否定した。
「静音?どうしたの?」
私は いつも大人しい静音が あんな風に遮った事に気になり静音の顔を覗きこんだ。
「どうしたの?」
「何でもないわ…ごめんなさいね」
静音は 穏やかな微笑みを浮かべて謝った。
「ううん。静音が謝る事はないよ…」
私は 謝られて驚いた。
だけど、私はふと思ってしまった。
…私は いつから 静音と友達だったのだろうか…?
…静音のクラスは…?
…あれ?覚えてない…
私は 静音をじっと見つめた…
…目の前の…この人は誰?私は 覚えていない…
私が 静音と思っていた人物は 私の心を読んだのか…不敵に笑いはじめた
「…もぅわかっちゃったの?」
「…え」
私は 戸惑い一歩後退り、桜の木にぶつかり後が無い事に気が付いた。
「…あなたをここで殺して差し上げたかったのですが…私の力はここまで及びませんの…残念ですわ…だから、今はこうやって あなたを惑わして 私の側まで来ていただくしか ありませんの…わかっていただけますかしら?」
私は 首をふりながら 桜の木の後に回ろうとした。
「無駄ですわ…」
目の前の人らしき人物は手をかざし満開の桜の花びらが舞った。
私は 抵抗する事も出来ずに、私は 満開の桜の花びらに吸い込まれてしまった…。
…リン…リン…リン…リン…リン…リン…
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