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これぞ、片付ける者の特権。何が出てくるのか、わくわくしながら蓋をこじ開ける。
しかし、箱の中身は、くしゃくしゃに折り畳まれた古い油紙だった。
「……なぁんだ、昔の薬、かな?」
多少がっかりはしたものの、どんな薬が包まれているのかかが気になる。
私は、油紙をそぉっと指先で開いてみた。
そこには、砂色の干からびた何かが――私はすぐに、それが何だか解ってしまった。
誰かの、へその緒……
筆書きの蓋をよく見ると、ひらがなで「へそのを」と読み取れた。急に心拍数が上がっていく。
「か、母さんのかな、それとも伯母ちゃんの?」
自分に言い聞かせて、油紙を元に戻す。蓋をしてから、気がついた。
紙の擦れるような音は、この音――いや、そんなはずはない。
私はその場を散らかしたまま、母のいる台所へ走った……
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