一章

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所変わって森を切り開いて作られた街、フォレスト。 数十年前に作られたばかりの新しい街だが、シャーブル侵攻対策の砦が建つなど軍事的拠点となる街である。 国務で訪れているカルナ王国第三王女、メイ・カルーナが視察をしていた。 軍人の数が多いこの街には珍しいドレス姿だからか街人は彼女にばかり目がいっていた。 視察初日を終えて宿に入りベッドに寝転ぶと、一日の疲れを表すようにため息が出た。 まだ一五歳の彼女にはしんどい仕事だったのだろう。 フォレストの人々は北から密かに南下して来ている脅威に気づくはずもなく眠りについていた。
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