一章

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月明かりが辺りを照らす丑三つ時。砦の櫓(やぐら)がシャーブルの軍を捉えた。 それだけなら大したことではないのだが、真夜中のため見つけるのが遅れた上に、関所の見張り交代が目的とは思えない大軍だった。 男は急いで鐘を鳴らした。 シャーブル軍は既に関所を破ってしまった。 関所とフォレストは僅か百メートル程しか離れていない。シャーブル軍がフォレストに到達するのは直ぐだろう。 「敵襲!敵襲!」 砦内で訓練していた兵士、眠っていた兵士の大半が外に集合し陣形を整えてシャーブル軍を待った。 残りは急いでメイの下へ向かい、脱出の準備をした。
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