プロローグ

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いつもと同じ薄暗い部屋。 いつものようにシャワーを浴びて、いつものようにベッドに向かう。しかしこの日だけはいつも通りにいかなかった。 廊下から聞こえるいつも聞いている母の声と、知らない男の低い声が耳に入った。 部屋から出たことがなく、外の世界を知らなかった。 外に出れるんじゃないか? そんな思いが少年、テリーの中に生まれる。 母にばれないようにコッソリと扉に近づく。 すると二人の会話が詳しく聞くことが出来た。 「……明日、 サンブライトに向かうそうだ」 「……そう。確実に始末してちょうだい。失敗は許さないわよ」 母、リリスの鋭い目付きに男が怯む。
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