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謁見の間の隅に立っていた男が部屋を出て、素早く烙印を持ってきた。
判の部分は熱で真っ赤になっている。
「利き腕の肩を出せ」
男に言われたとおりに左肩を出す。
男は地肌が露出した左肩に烙印を勢いよくくっつけた。
肩は音を出して焼け、テリーは苦しそうに喘いだ。
しばらくして烙印を離すと左肩には国の紋章である一本の鳥の羽根が真っ二つに切れている焦跡が見える。
「つまみ出せ」
バルドの言葉で兵士数人がテリーを担ぎ城の外まで運んだ。
「おら!さっさとこの国から出ていけ!」
兵士の一人がテリーを蹴る。テリーは大人しく国境に向かって歩き出した。
その顔には涙は流れていなかった。
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