~序章~

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古来、王朝が代わろうとする度に、この国の黄色い大地は朱に染まってきた。 その広漠な大地は後漢末に発生した黄巾の乱以来、更に大量の血を飽くことなく、飲み干し続けていた。 そんな時代の話。 建安11年 前年、曹操が河北一帯をその掌中に収め、天下の帰趨は漸く曹氏一門に傾くかと思われた。 当時の劉備は、荊州牧劉表の元に寄寓するようになって既に久しい。
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