出会い

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放課後。 沙羅は誰もいない教室にぽつんと座っていた。 校舎は部活動生の声でにぎやかだ。 先生から頼まれていた仕事を終え職員室に向かう。 「失礼します。先生、頼まれていた仕事が終わりました。あと、何かすることありますか?」 「無いよ。お疲れ様。」 「わかりました。」 沙羅が職員室を出ようとしたとき、先生に呼び止められた。 「水無月!ちょっと!」 「なんですか?」 少し嫌そうな顔を見せたが、さっき先生に言ったことと矛盾してしまうので、無理矢理な笑顔を見せた。 「悪いが、代わりにバスケ部を見てきてくれないか?仕事が終わらなくって、見に行けないんだ。これが、練習メニューだ。」 「ちょっと待って下さい!女子がそんなことするとナメられますよ!」 「あいつらなら大丈夫だ。どうしてもってんならこの紙だけでも渡してくれ。」 「…わかりました。」 沙羅は渋々承諾した。 #
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