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「どうも。」
「…。」
沙羅は無言のまま哲弥の前を通り過ぎようとしたとき腕を捕まれた。
「無視は酷くない?」
「なんですか?」
「一緒に帰ろう?」
「なぜですか?」
沙羅の冷たい言葉が続く。
「俺、そんなにイヤ?」
「イヤではなく、関わりたくないだけです。」
「冷たいな~。そんなんだと友達できないよ。」
「構いません。いりませんから。」
沙羅が少し寂しそうな顔を見せた。
「では、失礼します。」
沙羅が歩き出すと、哲弥がついて来る。
「(どうして、ついて来るんでしょうか。)」
沙羅は哲弥を無視してスタスタと歩いていく。
「あの、なんでついて来るんですか?」
「さっきも言ったけど、一緒に帰りたいの。」
沙羅は嫌そうに見たが、哲弥は笑っている。
一つため息をつくと「好きにして下さい。」の一言。
それに対して哲弥はまた笑って返した。
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