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「あのさ、水無月さんはなんでそんなに他人に冷たいの?」
「吉井さんには関係ないことです。」
「話してよ。」
「なんで私が、他人に話さないといけないんですか!?」
沙羅は少し泣きそうな声で言った。
「誰も知らないでしょ?」
「…。」
「…俺は、沙羅の力になりたい。」
「知ってどうなるっていうのですか!?(私の気持ちなんてわかってくれる人なんかいないんです。信じてくれる人なんかいないんです。)」
沙羅の心の叫びはいつも届かなかった。
哲弥は優しく沙羅を抱きしめた。
「ごめん。無理させた。」
「…。」
この人なら話しても…という気持ちに少しだけなった沙羅は重い口を開いた。
「…わかりました。お話しします。」
沙羅が受けてきた痛みは壮絶なものであることに哲弥は知るよしもなかった。
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