46人が本棚に入れています
本棚に追加
結局クライスは属性を調べないで終わり、授業は魔法学へと移り変わっていた。
「魔法学についてですが、具体的に何を学ぶ為の授業かわかりますか?
はい、ルテルーニ君。」
「主に魔法の詠唱、詠唱の言葉、魔法の歴史についてを学び、上級者になると自身で魔法を作り出したりします。」
「有難う。分かりましたか?先ずは今日、自分達の属性が判明して、早く魔法が使いたいと思っていると思うので図書館へ本を借りに行き、グラウンドで魔法の練習をします!」
余程嬉しかったのかマリルのその言葉を聴いた生徒一同は、喜びに満ちた顔で気持ちを言葉にしていた。
医務室の事は無かったかの様に授業を進めていくマリル。
只、変わった事があるとすればクライスの居眠りを注意しなくなったと言うことだ…。
「…スゥ…スゥ…」
この五月蝿い教室の中で良く寝ていられる…。
「では、本を借りた人からグラウンドに集まって練習してみて下さい!」
と言うとマリルは何処かに向かって行った。
生徒達一同が校舎の裏にある図書館に向かっている中、爆睡中の馬鹿が一人。
「…ク、クライス…君。みんな…行っちゃったよ?」
優しき隣の席の女の子、ルア=ヒール。
その名の通りサラの妹である。
「…ルアさん?そんな奴ほっとけばいいのよ。一緒に図書館いきましょ?」
と、そこに現れたサラとは正反対の性格、可愛いが活発的で何時もツンツンしている、メアリー=カミールがやって来て何とルアを連れ去って行った…。
「ふぁ~…強引な女だな。さて…行くか」
そしてやっとこさ起きたクライスはグラウンドへ向かった…。
しばらくすると、生徒達は続々と集まり魔法の練習をしていく。
「炎の力。我が使い手…【フレイム】!」
一人の男が詠唱に入り、魔法を発動させる。
しかし魔法は発動したものの、出現した炎は野球ボールぐらいのもので、それは直ぐに消滅した。
魔法を発動できているのに弱いのは、魔法をコントロール出来ていない証拠だな。
まあ最初はそんなものか。
俺だってそうだったしな…。
他の生徒を見るもみんな最初は出来ていなかった。
しかし僅か数回でできている者や、一回で出来ている者がいた。
一回で出来た者はルア、メアリー、そしてもう一人カイン=レリーフと言う短髪で赤茶髪の男。
数回で出来ていたのは、ミレニア=ラルークとシュウイ=ラルークだ。
最初のコメントを投稿しよう!