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春風がそよぐ、"メルセディア魔法学園"への入学式。
メルセディア魔法学園とはその名の通り、魔法と言う物を学ぶ学校である。
魔法とは体内にある核、つまり心臓を元に体中に宿る魔力と言う物を使い、詠唱とイメージを元に発現させる事で、外傷や治癒と言った影響を、与える物の事を言う。
「よし、これで心配は要らないな…」
メルセディア魔法学園の門へと繋がる並木道をひらひらと舞う桃色花びらを肩に乗せスタスタと歩く銀髪の少年。
主人公、クライス=ヴェルディーである。
その少しくりっとした銀髪が珍しいのか、教科書を片手に読み歩くクライスを、ちらほらと見る新入生や先輩達。
全く気にしていないのか。
はたまたただ気付いていないだけなのか…
クライスは教科書との睨めっこを続けたままメルセディア魔法学園への門を潜った…
門を潜り抜けると待ち受けるのは、敷地面積が広すぎる中に聳え立つ八階建ての大きな校舎。
右手には此方も大きく聳え立つ10階建ての寮が幾つか見える。
今まで教科書と対峙していた為気付かなかったのか、校舎の前で驚き固まっていたクライスは再び動き出し、入学式が行われる建物に向かった。
まだ全生徒は揃って居ないが、既に何百名をも超える新入生が着席しており、在校生は着席を完了していた…
「人多すぎッ…何この人数」
再び校舎前での硬直状態を再現していたクライスだがある女性の手によって戻された。
「そこの銀髪の少年直ぐに着席!お願いしますよ? 」
2、3メートル先から聴こえた女性の声。
振り向き様に見てみると、格好からして先生のようだ。
腰に手を当てビシッと指を指した姿を見るとどうやらお怒りの様子。
「みんな既に着席してますよ?なので速やかに着席!」
「…ん??」
さっきまでまだ全生徒着席していなかった筈…と思い見渡して見ると、何とそこには綺麗に着席を済ませた全生徒が此方を見ていた…
「い…何時の間に?」
「着席!」
「わかったわかった!」
全生徒の注目の的になっている中速やかに着席し、そして入学式が何事も無かったように始まった…
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