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ーベンチに座り先程の事を一見していたクライス。
…炎蛇サラマンダーに光綺ペガサスか。なかなかの使い魔だな。
「どうだ?驚いたろ?」
歩み寄って来たカインが誇らしげに話し掛ける。
確かに体長三十メートルは下らない上級の大蛇を呼び出したカインは凄いだろう。
それに加えて光綺の異名を持つ上級のペガサスを呼び出したルアも凄い。
「確かに凄かったな~」
しかしクライスはそんな気はさらさらないかの様に答える。
「絶対凄いと思ってないだろ?
まあいいけど…それよりマリル先生が集合をかけてるからいくぞ!」
カインはそう告げるとルアとマリルの所へ向かっていく。
だが、クライスはそれに対しゆっくりと反転して教室へと戻る。
「…気がつかない以上まだまだだな~」
そう言いクライスが見つめるは右隣。そこには何もない…だが、そう見えないだけ。
ちらっと見せるその白銀の鱗と毛並みは美しく、朱いその目は何者も近寄らせまい…。
「戻れ、シルヴァー…」
紋章に戻る際に見える巨大な何か……、それは白銀に煌めくドラゴンであった…。
ー一方マリルの前に集まった生徒達は"転移"と言う魔法で教室へと戻った。
「魔武器も造り、使い魔と契約もしました。では、只今より抜き打ちテストを行います!!」
一段落ついて落ち着いたと思いきや、再びざわつき始める生徒達。
「先生!抜き打ちテストなんできいてないです!」
「だから抜き打ちと言ったでしょ?」
「僕達なんの準備もしてないんですよ!?」
「だから抜き打ちと言ったでしょ?何回言わせるの?退学にするわよ?即刻追い出すわよ?」
「「「…職権乱用だ…」」」
渋々従う生徒達。
マリルがこんな性格になったのは他でもないクライスのせいだろう…。
そう思い、机で爆睡しているクライスを睨む生徒がちらほら。
そしてテストの内容が発表された…。
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