∬学園物語∬ⅡギルドⅡ

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ーー…時間は少し戻り、カインは魔武器のゲイドルグを出し既にドルゴルと戦っていた。 しかし攻撃するも槍が弾かれ防戦一方…。 シュウイと同様にカインも物理攻撃は効かないと判断し、魔法で攻撃に徹していた。 「何でこんなに堅いんだよ!…魔力もなくなってきたぞ」 初級魔法を数発放ち攻撃していたカインだが、既に魔力が尽きかかっていたのであった…。 飛んでくる岩をかわしながら真横に接近し、ドルゴルにゲイドルグを一閃の如く突き刺す。 「「ごッ…ぐごー!!」」 痛々しい声を上げ暴れるドルゴル。 再び弾かれると思われたゲイドルグの突き。 しかし一閃の如く突き出されたゲイドルグはドルゴルの堅い胴体を貫いていた。 「何だ今の!?威力が何倍にもなったぞ…。」 しかし、驚いている暇はない。この出来事で油断していたカインの体が宙に浮く。 「!?……かはッ」 貫いていたゲイドルグを持っていたカイン事、体を横に大きく動かされ、飛ばれない様にゲイドルグを握っていたカインだが、遠心力に負けて飛ばされ木に背中から衝突。 背中を強く打った為咳き込む。 …心臓と肺が…ッ!…立ち上がれない。 息を荒げ怒り狂ったドルゴルは足を慣らし、今にも突進して来まいとカインを睨んでいる。 膝を立て何とか立ち上がろうとする。 しかしまだ体に力が入らず起き上がる事さえ出来ない…。 …俺はもう死ぬのか…? 既に勢い良く突進するドルゴルが目の前まで迫り来る。 最後の悪あがき、死に物狂いで初級の防御魔法を発動。 「…炎の…壁ッ…我が…使い手…【フレッ…イ…ム…ウォー…ル】」 魔力コントロールが出来ていないのか弱々しい炎の壁。 その時だった…。 不意に聞こえるドサドサっと言う何かの塊が倒れ込む音。 ドルゴルの突進の音も消えた。 炎の壁も消え視界が良くなる。 そこには何か大きな武器を持った男が立っていた。 しかし意識はそこで途絶えて終った…。
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