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「…!?…カイン君…!」
その後の数分後に駆けつけたルアはカインの姿を見つけるとすぐさま光属性特有の治癒魔法でカインを癒やす。
「…………ッ…!?」
治癒魔法を使ってから数分後、気がついたのかカインの意識が戻った。
「…大丈…夫?」
「あぁ…ッ!それより此処に誰か居なかったか!?」
「い…居なかった…よ?」
「………そっか」
…まさかとは思わないがあれはクライスか?
何だか似ている様な気がした…。
あの鎌らしき武器を持った影。ちらっと見えたのは鎌の色が黒っぽい銀であった…。
「まあいいか…。」
このまま考えていても仕方がないので一旦その事は忘れ、二人で双子のチームの所へ向かった…。
ーその頃、双子のシュウイ、ミレニアチームの状況は刻一刻と悪化していた。
着ている服は破れ、息を切らし、ドルゴルの攻撃を回避するだけで精一杯であった。
「ハァ…ハァ…クライスの奴が助けに来るんじゃないのか?」
「そ…そんなの…ハァ…ハァ…わかんない…よ!」
ドルゴルから何とか木の陰に姿を眩ました二人は今、救援が来ると信じ隠れていた。
ミレニアは突進で受け身を取ったが腰を痛め、シュウイも左腕を負傷している為、どうする事も出来ず逃げているのだ。
「ミレニア!良い事を思いついた!」
沈黙の中、不意に聞こえたシュウイの希望に満ちた声。
「どうしたの?」
「良く考えたら魔武器は僕らの得意な楽器じゃないか!
しかも、僕は騙す事を得意とし、ミレニアは隠す事を得意とする…。
一か八かフルートを吹いてみないか?」
「ナイスな考えだね!じゃあ一緒に吹くよ?」
シュウイの案を受け入れ、二人はフルートの吹き口に唇をつけるとアイコンタクトと共にフルートを鳴らす…。
小さなパイプを通り出る音。
シュウイの音は少し暗いイメージの音で低く、ミレニアの音は少し奇妙なイメージの音で高い。
木々に反発して周囲に響き渡る二人の音色。
ドルゴルには既に異変が起こっていた…。
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