46人が本棚に入れています
本棚に追加
ー音は人に喜びや楽しさといった感情を与え、時には悲しみと言うものも増殖させ与える。
二人の魔武器はそんな力を能力として強めた物で、 音を聴いた者は脳内信号を狂わせ、操り、混乱や幻覚といった症状を起こす。
聴覚と言うものを武器にした魔武器だ。
双子ならではの音色がドルゴルの脳内を洗脳し、幻覚を見ているのかそこら中の木々を人と思い込み突進を続けている。
「これが魔武器の能力…」
銀に少し黄緑がかった色をしたフルートを見つめ呟いた。
しかしそれも束の間、錯乱状態まで陥ったドルゴルは魔法を暴走させ岩を彼方此方に飛ばし始めた。
二人は自分目掛けて飛んでくる岩を何とか回避し、岩にも少し神経を使いながら締めに掛かる。
頭の中にふと浮かぶ技の名。
アイコンタクトで合図を取り口を合わせて技の名を唱える。
「「交幻曲第一章【夢】!」」
暴れ回るドルゴル。
しかし、その瞬間暴れていたドルゴルの動きが止まり、その場で倒れた。
いや、眠りに入ってしまった…。
当の本人は何が何だか分からずに唖然。
「た、…倒したの?」
ピクリとも動かないドルゴルを前に、そう判断せざる終えないミレニア。
シュウイは眠っているだけだろうと告げると、先程の技について考えた。
ーそれから数分後、二人は応援に駆けつけたメアリーと合流。
眠っているドルゴルに止めを刺し、倒した証拠を持ってみんなと別れた場所に向かった…。
「よし、みんな集まったみたいだな」
「集まったなじゃないわよ!助けてくれるんじゃなかったわけ!?」
合流してメアリーがクライスと会って直ぐに大喧嘩。
メアリーの両腕の間に腕を通して動かない様に何とか止めるカインだが抑え切れなさそうで表情が辛そう…。
「何だかんだ言って、メアリーってクライスの事が好きだったりしてね…」
「そんな訳……ないでしょうがーッ!!」
「おい!火に油注いでどうするんだよシュウイ!!
俺の身にもなれ~!」
「はぁ、…五月蝿いなお前ら。…発動」
クライスが依頼書に魔力を流し込み魔法陣が展開し転移が発動。
「「「なッ!?」」」
原因のクライスが知らん顔をしているのと突然発動させたのに驚いていたメンバーは消えて行った…。
最初のコメントを投稿しよう!